
歴史と自然が織りなす、大磯・旧吉田茂邸庭園の四季をめぐる旅
神奈川県大磯町に佇む「旧吉田茂邸庭園」。戦後日本の首相・吉田茂が晩年を過ごした邸宅跡であり、現在は庭園として整備されています。ここでは、政治的な歴史を感じながら、四季折々の自然に癒やされる時間を過ごすことができます。
この記事では、地元民として私が見てきた旧吉田茂邸庭園の四季の魅力をお届けします。
春|満開の桜が迎える、華やかな季節
3月下旬から4月上旬にかけて、庭園内の桜が一斉に咲き誇ります。芝生広場のまわりにはソメイヨシノを中心に桜が植えられており、邸宅の洋風建築と桜の風景が絶妙にマッチ。ピクニックを楽しむ家族連れや写真撮影をするカメラマンの姿も多く見かけます。
歴史ある場所で花見をするという贅沢な時間。観光客だけでなく地元民にも愛される春の風物詩です。
夏|緑深まる庭園と海風に包まれて
初夏から夏本番にかけては、新緑が生い茂り、庭園全体が生命力に満ちあふれます。海沿いの立地のため、木陰では潮風が心地よく、ベンチに座って本を読んだり、散策を楽しんだりと、思い思いの時間を過ごすことができます。
木立をぬける道ではセミの声も響き、夏ならではの情緒を感じることができるでしょう。
秋|紅葉とともに、静けさに包まれる時間
10月後半から11月にかけては、モミジやイチョウが色づき、庭園は赤や黄色に染まります。洋館の白壁と紅葉のコントラストが見事で、歩くたびにカサッと音を立てる落ち葉もまた風情のある演出。
観光客のピークを過ぎた時期は、比較的静かに過ごせるのも魅力のひとつです。歴史と自然をじっくり味わうには秋の訪問がおすすめです。
冬|凛とした空気と富士山の眺望
冬の庭園は空気が澄み、晴れた日には富士山がくっきりと見えることもあります。落葉した木々の間から光が差し込み、静かな時間が流れます。
人も少なく、じっくりと邸宅や庭園の造形美を味わうことができます。季節外れと思われがちな冬ですが、実は穴場の観賞タイミングです。
アクセスと基本情報
- 住所:神奈川県中郡大磯町西小磯
- 開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
- 休園日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入園料:無料(旧吉田茂邸は有料)
- アクセス:JR大磯駅からバスで約10分、または徒歩約30分
まとめ|四季と歴史が調和する、癒しの庭園
旧吉田茂邸庭園は、ただの観光地ではなく、訪れるたびに新しい発見がある場所です。桜の春、緑の夏、紅葉の秋、そして静けさの冬――。
季節を変えて何度も訪れたくなる、そんな魅力にあふれた庭園。ぜひ、大磯を訪れる際には足を運んでみてください。
この記事を書いた人:芦原 真司(あしはら しんじ)
湘南・大磯を拠点に活動する旅ラン作家。全国各地を巡りながら、マラソン体験記や地域の魅力を発信しています。
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