湘南といえば江の島や鎌倉のイメージが強いかもしれませんが、そのすぐ西にある「二宮町」も、知る人ぞ知る“穴場の町”です。
東京から約1時間、海と山に囲まれた自然豊かなロケーションに、どこか懐かしくてやさしい空気が流れる——そんな“ちょうどいい田舎”がここにはあります。
この記事では、地元在住の旅ラン作家・芦原真司が、実際に歩いた目線で二宮町の魅力をご紹介。観光地ではないけれど、思わず「ここに住みたい」と感じてしまう、そんな町の風景に出会えるはずです。
アクセスと立地|都心から1時間、海と山に囲まれた町
神奈川県中郡に位置する二宮町は、JR東海道線「二宮駅」が玄関口。東京駅から電車で約1時間、横浜からはわずか40分というアクセスの良さが魅力です。
駅から数分歩けば目の前に広がる相模湾、反対方向には緑豊かな吾妻山——そんな海と山がぎゅっと詰まった地形は、まさに“ちょうどいい田舎”。
観光地のようなにぎわいはありませんが、その分、落ち着いた時間が流れ、ゆったりと町を歩きたくなるような、居心地のよさが感じられます。
吾妻山公園|富士山と菜の花の絶景
二宮町のシンボル「吾妻山公園」は、標高136.2mの小高い丘に広がる自然公園。頂上からは、天気の良い日に富士山と相模湾を一望できる、まさに絶景スポットです。
特に見頃を迎える1月中旬から2月にかけては、約6万株の菜の花が咲き誇り、青空と海、富士山のコントラストが写真映えすると評判。カメラ片手に訪れる人も多く、春を先取りできる風景が広がります。
階段や坂道は少しハードですが、登り切った先の景色はその苦労を忘れさせてくれるはず。地元の小中学生、ジョギング愛好家、家族連れなど幅広い世代に親しまれている“町の憩いの場”です。
暮らしやすさとやさしさがある日常
二宮町には大型ショッピングモールや大規模商業施設はありませんが、駅周辺には昔ながらの商店街や個人経営のスーパー、ドラッグストア、パン屋さんなどが点在し、日々の暮らしをしっかり支えています。
駅前の喫茶店やこだわりのカフェは、地元の人々の憩いの場。観光地のような派手さはないけれど、どこか懐かしく、肩の力を抜いて過ごせる雰囲気が町全体に流れています。
一人でふらっと立ち寄っても、なんとなく安心できる。そんな“やさしさ”が、二宮の日常には息づいています。
地域行事と人のつながり
二宮町では、四季折々の地域行事が大切に守られています。春の「菜の花ウォーク」や、夏の「二宮花火大会」、秋の神社例大祭など、季節ごとに町全体が温かい雰囲気に包まれます。
特に「二宮花火大会」は、観光地のような喧騒とは無縁。混雑も控えめで、海岸沿いからゆったりと夜空を彩る花火を楽しむことができます。まるで地元の人たちだけにそっと開かれているような、静かでやさしい夏の風物詩です。
こうした地域の行事は、地元住民のつながりを感じられるだけでなく、訪れる人にも「町に迎え入れてもらったような気持ち」になれる、そんなあたたかさがあります。
パンと和菓子の町?グルメの隠れ名所
二宮町は、実は“パンの町”としても知られています。天然酵母を使ったベーカリーや、地元産の小麦を使用したこだわりのお店など、町のあちこちに個性豊かなパン屋さんが点在。散歩しながらのパン屋めぐりも、二宮ならではの楽しみ方です。
さらに、昔ながらの和菓子屋さんも健在。地元に根ざした老舗では、どら焼きやお団子など素朴な味が楽しめ、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
そんな地元グルメの魅力を一日かけてゆったり味わう「ローカル食べ歩き旅」も、二宮町でぜひ体験してほしい過ごし方のひとつです。
まとめ|観光地じゃないけど、住めたらなと思う町
二宮町は、観光地としての派手さこそないものの、「暮らすように旅をする」感覚を味わえる町です。海と山に囲まれた自然環境、のんびりとした空気感、地域行事や地元グルメなど、そこに暮らす人の営みが町全体にやさしく息づいています。
ふらりと立ち寄った旅のなかで、「ここに住めたらな」と感じてしまうような居心地のよさ。それが二宮町の最大の魅力かもしれません。
湘南の中でも落ち着いた雰囲気を求める方にはぴったりの場所。次の休日、のんびり歩きながら町の風景に触れてみませんか?
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✍️ 執筆者:芦原 真司(旅ラン作家)
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